幻の企画X  ・・・・「カメリア・モデル」その2

先日、カメリア会において施設公募に応募しました。残念ながら不選考となりましたが、計画の概要について「幻の企画X」としてこの「カメリアモデル」をwebサイトにアップします。今回はその2と題して、[具体的な空間利用の考え方について]

【一般的認識】
昨今の社会問題としては、高齢化社会が進展し少子高齢化現象についてはその歯止めが効かないことはすでに衆知のことである。その対応策として1.社会保障費の効率的な使用、2.健康寿命の延伸、3.Productivityを高める。 以上の取組みにより要介護率を減少させることと同時に、社会保障費の逓減により持続可能な介護保険制度であるといわれている。

高度成長期前は、地縁、血縁ネットワークと地域の絆により良質な地域社会が形成・維持されていた。そして高度成長期において経済発展による税収の増加により、課題分野別に行政サービスが手厚くなり、さまざまな行政サービス展開されることにより課題が解決された。しかしながら、行政が地域のさまざまな課題を解決する一方で、地域住民同士の助け合い活動は減少し、地域の「絆」が途切れがちになった。このような状況においては地域における大規模福祉施設計画として不可欠な役割の遂行や、地域住民同士の互恵、相互扶助の考え方 -すなわち「絆」の形成が不可欠である。しなしながら都市部において、絆の形成は容易でない。都市部の課題は多様であり、複合的であるために単に特定分野に限定した課題解決についても結果を求めることも容易ではない。本施設計画では、地域住民の有する多様な知識・ノウハウを活用しながら、施設のハード・ソフト資源も活用することで緩やかな互恵、緩やかな絆を形成した活動を生み出し、地域の課題解決に寄与したい。
このような現状認識のもと私たちは、本施設計画の中で健康増進・地域交流事業については大きく3つの目的とし、高齢者介護施設でありながらも地域福祉・地域の健康増進に寄与する所存である。

【運営の目的】

  1. 役割意識を持つ:地域住民同士の交流を通じて、グループ活動を形成し高齢者一人ひとりが役割意識を持って生活ができる環境を作る。
  2. 健康的な生活を送る:健康増進活動・介護予防事業を通じて、高齢者一人ひとりが健康的に生活できる環境を作る。
  3. 生涯学習の機会を作る:趣味活動や地域の歴史文化に触れ生涯学習の機会をつくり、いつまでも学び続けられる環境を作る。

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【方法】

本施設計画では、直接的な介護予防[一次予防事業を想定]に資するための空間と、地域住民に開放をする空間、そして施設利用者が活用する介護保険事業の他に3つのタイプの空間を準備し、施設の社会化を果たしたい。この3つのタイプの空間を介護保険事業と並行して実施し、施設利用者や地域住民が建物を有効活用し交流を行うことにより本施設の意図している機能が発揮される。

まず、健康増進スペースについては1階の地域交流室に設ける。この空間では介護予防に直接的に関連する各種事業を行う。施設開設に折には各種講座・教室を実施し、実際に利用される高齢者の要望・ニーズに合わせて内容については柔軟に変更していく計画。特に趣味・教養の要素の強い教室については、地域ニーズ、利用者ニーズによって弾力的な教室運営とし、身体・健康管理の要素の強い教室については、教室の趣旨は変更することなく、カリキュラムの柔軟な運用により対応する。ついで1階のスペースについては、便宜上パーテーションで3つの部屋に分割できるようにしているが、広い空間を確保するために1講座・教室で分割することなく使用する。また身体活動を伴う教室運営にあたってはストレッチ用のマット、セラバンドなどの自律動作を補助する用品のみを設備として設け、トレーニング機器の導入は考えていない。なお、セキュリティ対策、感染症予防対策として、介護保険施設(特に特別養護老人ホーム)と他の事業形態との動線上の交差がすくなくなるような平面配置としている。

【留意事項】
本件の著作権、肖像権等の帰属は当法人にあります。再利用の際には十分にご注意ください。
公募時の記載内容から若干修正を行っています。