カメリア・カレッジ 教育講座(第4回)平成23年2月19日

教育講座(第4回) H23.2.19

参加申込はこちらから

●○● はじめに ●○●

2011年2月12日、特別養護老人ホームカメリアでカメリアカレッジで教育講座(第3回)が開講されました。カメリアカレッジは月1~2回程度水曜日の夕方に開講していましたが、地域の方がお越しになりやすい時間をと考え土曜日の午後の開講となりました。教育講座は1月~5月まで一ヵ月につき2回のペースで開催されます。この講座開講にあたっては旧亀島小学校の初代校長である三浦一郎先生の全面的なバックアップを受け、講師の調整や全体の流れなどのプロデュースをしていただきました。

今回は第4回目の開講。江東区立香取小学校の校長である春名秀夫先生による「香取小学校小学校の沿革と現状」と題した講演が開催されました。地域町内会の方、カメリアカレッジを通じてお付き合いのある方など17名の方の参加でした。香取小学校はカメリアのある亀戸3丁目の校区の一部にあたり、この地区の児童が通う小学校です。

20110221-1_r

講師紹介: 春名秀夫(はるな ひでお)。東京理科大卒業。中学数学がご専門。足立区竹ノ塚中学教員着任、足立区、葛飾区、板橋区中学の教頭、辰巳中学の副校長を務め、平成22年4月、香取小学校第24代校長となる。

自己紹介:小学生のころ、あいさつをする、返事をする、靴をそろえる、この3つを子供のころ父から言われた。中学、高校と剣道部所属。電気工事をする仕事に漠然とあこがれていたが、高校入学で数学教師に出会い数学教員を目指すようになった。出会いが大切であることを今でも感じ続けている。小学、中学とそれほど勉強が得意でなかったので、教員になってからも「(こどもが勉強を理解)できない」ことがよくわかる。

小学校の沿革:大正11年10月15日、南葛飾郡香取尋常小学校開設(10月15日が開校記念日)。初代校長・田淵巌先生。昭和7年10月、東京市香取尋常小学校に校名改称。昭和16年東京市香取国民学校と校名改称。昭和18年、東京都香取国民学校と校名改称。太平洋戦争の空襲で校舎はすべて焼失。昭和22年、東京都江東区香取小学校と校名改称。平成24年度に開校90周年を迎える。開校のころ第3亀戸小学校に校名をつけようとしていたが香取神社に近いため「香取小学校」となった。

現在の小学校:各学年2学級ずつ全12学級。児童数:男145名、女137名の計282名。特別支援学級が2学級(江東区で唯一併設)。学童クラブも併設されている。教職員数:校長以下25名。その他介助員、支援員、交通誘導、施設管理。

香取小の取組み:小学校低学年:地域めぐり、商店街をめぐる。工場見学。4年生:江戸切子の体験。1~3年:ふれあい給食の実施(高齢者等との給食)。1年生は祖父母の来校。2年生は学区域内の高齢者。亀戸大根の栽培(クラブ活動の一環)。合宿通学(2泊3日)、宿泊しながら通学する。銭湯入浴の経験もする。外部講師を招いての授業:俳句教室。3、4年生で俳句の作り方を楽しむ。3年生:珠算塾を開く(3時間ずつ指導を受ける)。スポーツ教室(FC東京):5、6年生がサッカー指導を受ける。ソフトボール教室(5、6年生。オリンピック経験者による指導)。3年生:ヤゴ救出大作戦(トンボに孵す運動。1200匹)。吹奏楽部5~6年生で活動。楽器を揃えることが大変。1つひとつの楽器が高価なためになかなか人数分揃えることが大変。

20110221-2_r

子育て論の紹介:「江戸しぐさ」;大店の子育て論。「三つ心、六つ躾、九つ言葉、文十二、理十五で末決まる」。子供心を豊かにしないとすべてが決まるという教え。6歳までに親が自らの手本で行儀作法を身につけさせること。文十二、12歳までに数字、請求書、苦情処理書などの多岐にわたる教育をし、主の代理ができるようにしなさいという教え。

子育て論の紹介:「子育て四訓」;1980年代に学校が荒れているころの研究してまとめられた成果。1、乳児はしっかりと肌を離すな。1、幼児は肌を離せ手を離すな。1、少年は手を離せ目を離すな。1、青年は目を離せ心を離すな。

子育て論の紹介:「わが子を非行化させる秘訣12カ条」;逆説的な子育て論(1.情緒障害発生法、2.過保護・過干渉のすすめ、3.叱り方の原則の否定、4.無関心のすすめ、5.不良感染のすすめ、6.劣等感の助長、7.短絡的問題解決のすすめ、8.ほめ方の原則の否定、9.しつけ基準の混乱のすすめ、10.拝金主義・物質主義の奨励、11.反社会性の学習助長法、12.モデルの否定)。

学校現場で起こっていること:これまで勤めてきた学校でここ10年ほどメールに係ること、薬物、売春、窃盗による逮捕者を経験した(香取小学校での経験ではない)。少年院も定員いっぱいでなかなか入れず保護観察処分で再犯も。売春:中学生でも発生。カラオケ店にいっしょに行くだけ、ファミリーレストランにいっしょに行くだけでお金をくれることを知っている。家出をしても生活できることを知っている少女がいる。窃盗は万引きが圧倒的に多い。お店は警察と連動して通報するようになった。コンビニでタバコを段ボールごと盗む、大型オーディオ機器を数台盗むなどの事例があった。深夜徘徊もあり、2時、3時の補導も。メールに関する事件が非常に多い。誹謗中傷による訴訟沙汰への発展も。便利な道具だが使い方を誤ると大変。養育放棄、自宅で食事を作らない家庭もある。給食で栄養バランスをとっている児童・生徒あり。父兄も通常の仕事をしている方もいた。通常に出勤して通常に帰宅しても「疲れている」という理由で食事を作らない家庭があった。虐待:小学校がデータとしては発見されやすい。

小学校と中学校の違い:小学校は学級担任制。中学は教科担任制。保護者は担任に期待を寄せる度合いが大きい。小学生が一人のこどもをじっくり観察できる。逆にいえば担任が曇った見方をすれば曇った捉え方しかできない。中学は複数の教員による目がある。中学に入った際には、生徒は「誰に相談?」ということに悩むようだ。小学、中学では年齢が異なる。小学校はかなり教員の関与(お膳立て)が大きく、中学では教員の関与(お膳立て)の度合いが異なる。中学1年は戸惑う。自信をなくすこともあるようだ。香取小は第二亀戸中が隣にあるので、中学の英語教員に来ていただいて触れあう機会を設けたい。中学3年の部活動が終了後、小学校高学年の児童に対して指導したい。このような活動を通して小学、中学の理解を深めたい。

子育て論:態度教育;ここ数カ月教員に指導しているのは、森信三先生提唱の三原則、態度教育「時を守る(時間を守る、時間泥棒をしない)、場を清める(環境を整える、掃除ができるなど)、礼を正す(あいさつ、ことばづかい)」。下駄箱に靴を揃えて入れるようにする。

私の子育て論(教育観):笑顔・元気・思いやり;職員室の雰囲気(職員の信頼関係が良好)が良ければ疲れの度合いが異なる。職員の中で「笑顔・元気・思いやり」を伝えていきたい。

20110221-3_r

●○● 質疑・感想 ●○●

≪感想≫講演を聞いて実感しましたが、ほめて育てなければならないと思っています。大学生の孫のテスト成績が良かったときに、「みんな(成績が)よかったんでしょ」と言ってしまった。なかなか言葉がとっさに出てこないので、(子育てに携わる人は)ほめることば掛けをしてください。

≪感想≫子育ての中でいちばん大切なのは3歳児までの母(親)とのスキンシップだと思います。わが子も全員香取小学校を卒業させたので想いも強いです。これからもよろしくお願いします。

≪質問≫吹奏楽部の活動についてはどうですか。すばらしい演奏を聴かせていただきました。

≪回答≫小学校の吹奏楽部は課程外となっています。昨年度までは熱心な先生の指導があったが異動になりどのようにするかが課題がありました。今後も継続的に吹奏楽部の活動を行います。後援会も組織化し保護者の支援もいただけるようになりました。

≪質問≫知人の子供が小学校中学年のころ1クラスの人数が少ないので子供たち同士が固まりやすく心が萎縮していたようです。いじめではないが、このようなことに対して学校現場ではどのようにしているのか? 少人数学校の利点、弊害はいかがでしょうか?

≪回答≫人数の多寡ではなくいわゆる「ガキ大将」存在する。小学校の場合、力関係も固定化した人間関係のため「ガキ大将」が存在しやすい。保護者の方に迷いがあれば担任などに相談してほしい。こどもたちの地域での力関係については、子供たちは教員に見えないように動くようだ。何か不安があれば相談してください。学級人数の多少についてはさまざまなあまり大差はなく、特別支援学級に通わなくても支援が必要な児童は6%程度存在するようだ。個別に対応することが必要。1クラスの児童数ではなく人の配置の問題が大きい。昔のこどもが家庭でのしつけができていた。今の子供は学校でのしつけに対しての関わりが必要となっている。少ない子供であるほうが1人にかける時間が多い。学級の児童の多い少ないは教員の力量の問題になることもある。

●○● おわりに ●○●

中学の数学がご専門だけあってロジカルな話題の進行でした。
数学的なロジカルな話題の展開でした。先生のご専門教科・領域において、同じようなお話しをされても切り口がずいぶん変わります。これまで4回の講演をそれぞれの先生に行っていただきましたがどの先生のお話しも学びになります。社会全体の変化のうねりの中で義務教育についても例外なく変化していることがよくわかります。高齢者介護に従事する者として教育談義については新たな発見も多いです。たとえ子育てに関わらなくても、教育の関わらなくても興味深く、そして学びにつながることは間違いありません。残り6回です。是非お越しください。

次回は3月5日(土)14時~16時に「本校教育の沿革と現状」の演題で江東区立第三亀戸中学校・藤本渡先生にご講演していただきます。
参加無料です。参加・聴講をご希望される方はカメリア会(03-5836-2311)までお問い合わせください。