第18回カメリアカレッジ開催報告(7月7日)

カンボジアの医療の実態 ~アンコール小児病院における医療を通して考える~

はじめに
7月7日(木)アンコール小児病院(カンボジア) 看護師 赤尾和美さんを講師にお招きして、第18回カメリアカレッジが開催されました。
カンボジアの医療・教育・環境などの状況を、自身の体験談を通じて講義していただきました。

赤尾 和美 アンコール小児病院(カンボジア) 看護師

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1984年 杏林大学医学部付属看護専門学校卒業
1992年 アメリカ合衆国ハワイ州看護師免許取得
1993年 ワイキキ保健センターHIV専門クリニック看護師、HIV/AIDS予防教育担当
1999年 アンコール小児病院(AHC)にボランティアとして滞在
2000年 アンコール小児病院にHIVと訪問看護の専門家として従事

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カンボジアでの医療状況、家庭・国民のモラル、教育の現状など、たいへん胸が痛むお話を聞かせていただきました。

貧困がゆえに失われる命・・
アンコール小児科に担ぎこまれた栄養失調の少女。数日にわたる入院治療を経て無事回復することができたが、退院後、吐血し死亡した。
なぜ、病院に連れてこなかったのかと保護者に問い詰めたところ、『この子だけにお金をかけれない』との返事が、アンコール小児科では基本無料で医療を提供しているが、少女の家庭では病院に連れていく移動費すら捻出することができず、結果少女を見捨てることとなった。

狂犬病という悲惨な病気。 
一度発症してしまうと100%死亡する狂犬病、定期的に起こる発作に介助人はなすすべがなく力ずくで抑えるつけるしかない。また、強い伝染力の為、病院に入院させることもできずお引き取り願うしか手立てがなく、高い移動費用をかけて当病院に連れてきた、命乞いをする母子を追い返す辛さを、切実に語っておられました。

売春から広がるHIV感染。
都市部などでは売春が横行しており。売春行為からHIV感染してしまい、父親から母親、子供へと感染が広まっている。
また、父親より感染しているにも関わらず、母親が責任を負わされているという矛盾が発生している。

女性の地位の低さによる家庭崩壊
男尊女卑が色濃く残っており、父親によるDVなどが問題となっている。

以上の状況を改善するためには、もはや病院でどうするという話ではなく、国民の教育やモラルの向上など根本的なところから見直さなければならないと赤尾氏は言う。
時間の概念が欠如している人々、家庭では子供が栄養失調であるにも関わらず働こうとしない父親。そんな父親に酒を渡す隣人たち、町では売春婦が横行し、母親や子供にまで感染が広がるHIVなど・・、近年、都市部こそ近代化が進んでいるカンボジアだが、農村部までは行き届いておらず、過去のポルポト政権が行った蛮行の傷跡はいまだ影響を受けているというのが現状だ。
こういった、カンボジアでの厳しい現状をできるだけ多くの日本人に知ってもらい、そして考えてもらいたいと語る赤尾氏。
『今私たちに何ができるのか・・』というテーマを一人でも多くの日本人と共有できれば幸いだとおっしゃっていました。

赤尾氏が所属する特定非営利活動法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーでは、オンライン募金も募集しています。
『私に何かできることは』とお考えの方がいらっしゃったら是非閲覧ください。

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